MESSAGE
Main visual
Main visual

interview 01 新生イオンスマートテクノロジーは、
グループのDXを牽引する中心的存在に。
代表取締役社長 ジェリー・ブラック

Visual 01
Visual 01

技術を託せる人材を育て、新たな企業文化を築く。

2020年、私たちイオンスマートテクノロジー株式会社(以下AST)は、約300社からなるイオングループの「デジタルシフト」実現を担う企業として設立されました。2024年12月には、イオンアイビス株式会社のIT事業が分社化されASTと合併し、一つの会社となりました。規模の拡大した新生ASTは、「第二創業」を迎えました。

2025年3月に代表取締役社長に就任して以来、私はASTのDX(デジタル変革)イニシアチブの推進に全力で取り組んでいます。その変革に重要な要素は「組織全体で互いに育成し合い、成長を支え合う企業文化の醸成」であると考えています。 その実現には、人事戦略が大きな鍵を握っています。ASTが果たすべき重要な役割の一つは、技術に特化した人材を育成・開発するハブとして機能することです。採用活動はもとより人材の育成や開発を通じて、経営陣から現場従業員まですべての人材がテクノロジーに精通し、チームの一員としての責任を果たし、イノベーションに貢献できるようにしていく必要があります。

私たちは、従業員がASTを魅力的な職場と感じ、自己成長を実感できるような仕事の機会と可能性を提供する必要があります。従業員は、イオングループや社会にポジティブな影響を与える開発に携わることで誇りと達成感を得られるでしょう。また、私たちは性別に関わらず従業員が自由に意見を交わせる風土の中で、イノベーションと創造性を尊重し、互いに助け合うことを奨励しています。多様な価値観から生まれる新たな発想を大切にし、常に我々の仕事がクライアントやビジネスに与える影響を意識しながら、日々の業務に取り組む必要があります。

このような価値観を組織全体に浸透させ、互いに育成し成長し合う包摂的で革新的な企業文化を築いていくことにより、私たちは唯一無二の存在へと進化していけると確信しています。

Visual 01
Visual 01

イオングループの総力を結集し、真のDXを実現する。

ASTでは、「真のDX」の実現に向けて集中的に取り組んでいます。イオングループには多くの事業会社や機能会社があり、その連携の複雑さは、私たちが直面する最大の課題だと考えています。 この課題解決のためには、グループ内で密に連携し、ともに変革を進め、プロジェクトに一貫性を確保することが求められます。イオングループ内にはASTだけでなく、中国のイオンDMC(デジタルマネジメントセンター)をはじめ、各事業会社や機能会社など、DXを担う多様な組織が存在します。これらとの連携を一層深めることが全体の組織強化に繋がります。
「イオンのお客さまをより幸せにするために、より優れたサービスを、より迅速に提供するためには、どのようなステップを踏むべきか?」という問いを常に自らに投げかけながら、多くの価値を創出し続けることにあります。私たちは、それこそが「真のDX」への道であると確信しています。

ASTは、イオングループのビジネス戦略において、これまで以上により中心的な役割を担う企業へと進化していきます。もちろんこれまで通り、インフラに該当するデータベースやAIプラットフォームなど、グループ共通のシステム基盤やコアテクノロジーの構築にも注力します。その一方で、AIを活用した価格最適化や倉庫管理システムといったサプライチェーンの最適化など、事業活動そのものにおいても中心となりDXを加速させていく役割を担い、またAIアプリケーション開発においても、DX部門やDMC組織との連携を一層強化し、新しいテクノロジーを生み出していきます。

Visual 01
Visual 01

10年先も、お客さま一人一人の期待に応えられるテクノロジーを。

ASTが優先すべき行動規範は、「顧客や消費者がどのように買い物をするか」という問いに真摯に向き合い、深く取り組むことです。10年後の買い物のあり方に焦点を当てた未来志向の視点を持ち、そこから逆算して、今からどのような行動を始め利用可能な技術を最大限に活用できるかを考える必要があります。この視点と行動が非常に重要です。

例えば、将来、オンラインショッピングや宅配サービスが一般的になるのは確実です。この大きな変化は、消費者の行動はもちろん、小売業のビジネスモデルに大きな影響を与えるでしょう。実店舗は引き続き地域社会の日常生活において重要な役割を担う一方で、多くの単純な業務は自動化が進み、「顧客体験」により多くの価値が置かれるようになります。また宅配の増加に伴い、店舗内の棚在庫の重要性は低下し、店舗の規模や役割も変わっていくでしょう。小売業界は今後さらに技術的な進歩を遂げます。お客さまはVRやAR、AIエージェントを利用し、さまざまな新しい形態でのショッピングが可能になるでしょう。そしてマーケティングやコミュニケーションはより複雑になり、AIとデータ分析を駆使し、需要予測や在庫管理の精度がさらに向上していきます。このようにして、現在と未来がどのように結びついているかを考え、さまざまな視点を持つことが重要です。

すべてのお客さまのニーズに密接に応えていくことは、今後ますます重要性を増していきます。お客さまにパーソナライズされた情報を提供し、最適なタイミングで関連性の高い個別の提案を行うことで、お買い物体験をより快適で魅力あるものにすることができます。

かつて、町には家族経営の小さな商店街があり、隣人のお客さまと、お店は互いに自然なつながりがありました。店主はお客さまの好みや嗜好を熟知しており、対話を通じて最適な商品を提案していました。しかし、店舗の大規模化や、インターネットショッピングが普及するにつれて、お客さまは選択肢が増えた一方で、ショッピング体験は個人的なものではなくなりました。私たちは、かつて近所の小さな商店がお客さまと日々交流しながら行っていた個別の商品キュレーションを、技術の力を使って実現します。小売業は今、再び「パーソナライゼーション」の価値を見直し、お客さまとの関係性を深める方向へと舵を切っています。AST社はその中心的な役割を担い、技術を通じてお客さま一人ひとりに寄り添う新しいショッピング体験の創出に貢献してまいります。